皆さま、こんにちは。心和寺の住職でございます。
今月、ありがたいことに2回目の伝法灌頂を厳修いたしました。
ご縁をいただけること、
そしてこうして一人また一人と仏さまの教えを
受け継ごうとする方が増えていくことに、
深い喜びと感謝を感じております。
今回伝法灌頂をお受けになったお弟子さんは、
現在公務員として社会に貢献されている方です。
さらにお話を伺うと、ご実家はお寺であり、
お父さまがご住職をされているとのこと。
将来的にそのお寺を継いでいきたいという明確な志をお持ちで、
導師養成コースへの入門を決められました。
この方を一言で表すとしたら、
私は迷わずこう申し上げます――**「とにかく丁寧な方」**だと。
言葉の選び方、所作、やりとりの一つひとつに、
深い誠意と敬意がにじみ出ておられます。
メールの文面や質問内容からも、
そのお人柄が伝わってまいりましたし、
実際にお会いした際にも、
こちらの話に真っすぐ耳を傾け、
何事も一つひとつ確かめながら学んでいこうとされる姿勢に、
私も心を打たれました。
親から子へ、仏さまの教えとお寺の灯を受け継いでいくというのは、
言葉にすると簡単ですが、
実際には大変な責任と覚悟を伴うものです。
それでも「自分の足で、一から学び直したい」とご自身で門をたたかれたこと、
そして真摯な姿勢で修行に取り組まれていることに、私は心から敬意を表します。
仏道の修行とは、技術を身につけること以上に、
「どれだけ心を込められるか」「どれだけ人のためを思えるか」
ということに尽きるのではないかと私は常々感じています。
そうした意味でも、この方の持つ丁寧さと思いやりは、
まさに仏道に通じる立派な資質だと感じております。
当道場では、伝法灌頂に入壇していただく前に、
必ず2回のテストを実施しております。
これは、形式のためではありません。
世のため、人のためにお勤めを果たす僧侶をこの世に送り出す以上、
私たちには**「中途半端な導師を世に出してはならない」**という責任があります。
だからこそ、伝授内容の理解や心構えを確認させていただく大切な節目として、テストを設けております。
今回の弟子さまも、テストの際はかなり緊張されたご様子でした。
しかしそれは、いい加減な心ではなく、
**「きちんと務めたい」「仏道に恥じぬ姿で臨みたい」**
という強い思いの現れだったと思います。
その真剣なまなざしや一つひとつの受け答えから、
日頃の学びにどれほど真摯に取り組まれてきたかが、よく伝わってまいりました。
これからも、そのまっすぐな志と丁寧なお人柄を大切に、
ご実家のお寺のご本尊さまとご先祖さま、
そして地域の方々に寄り添う僧侶へと育っていただけたら、
これ以上に嬉しいことはありません。
聖徳派道場は、これからも共に歩む仲間たちの背を静かに押しながら、
仏さまの教えを次代へと伝えていく場所でありたいと願っています。
どうか、今回の弟子さんのように、志をお持ちの方がいれば、いつでもお問い合わせくださいませ。。
本日、伝法灌頂をお受けになったお弟子さんに心より祝福を申し上げ、
今後の歩みに仏縁がますます深まりますよう、静かにお祈りいたします。
合掌
ーーーーーーお問い合わせーーーーーーー
【真言宗 聖徳派道場 心和寺】
住所:岡山県倉敷市老松町5-3-62
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