短期集中で伝授しました
このたび、40代の女性が聖徳派の門をたたいてくださいました。
お仕事のご都合により、短期集中での来山をご希望され、2回に分けて伝授を受けられるご予定です。
今回はその第1回目として、2泊3日の日程で加行道場に来山されました。
初日は得度式を厳修し、仏弟子としての第一歩を踏み出されました。
衣を身にまとったそのお姿はとても清らかで、どこか静かな決意がにじんでおりました。
その後、真言宗の基礎的な教義や道場での心構えについて、時間をかけて丁寧にお伝えいたしました。
はじめは緊張された面持ちでしたが、仏様に向き合うまなざしは真剣そのものでした。
慣れない五体投地も、一礼一礼を大切に、心を込めて修しておられる姿に、こちらも身を引き締められる思いがいたしました。
おとなしく聡明な方で、教えたことを吸収する力も非常に高く、予定していた2科目に加え、急遽もう1科目を伝授することができました。
結果として2日間で3科目を修了され、次回の来山は日帰りでの伝授となりそうです。
滞在中は毎朝、「前方便」(真言宗における基本的な作法)の復習と実技確認を行いました。
都度フィードバックを重ね、最初は所作に迷いが見られたものの、日に日に姿勢が整い、
3日目には堂々とした佇まいへと変化されていたのが印象的でした。
短期間ではありましたが、仏道に対する真摯な姿勢と学びへの意欲に、教える側としても深く感銘を受けました。
真言宗の修行は、ただ知識を得るのではなく、身体と心を通して仏に近づく道です。
その意味でも、この3日間は非常に充実し、意義深い時間となりました。
こうしてまた一人、仏の道に志を立てる方とのご縁をいただけたことを、心より嬉しく思います。
次回の来山で、さらに学びが深まることを楽しみにしております。
合掌