先日、嬉しい報告がありました。
数年前に当道場に入門された弟子のひとりから、
久しぶりの近況報告をいただいたのです。
その方は、入門前は精神的に大きな苦しみを抱えておられ、何度も入退院を繰り返してこられた方でした。
初めて出会った日のことを、今もよく覚えています。言葉の端々に怯えがあり、目には深い疲れが宿っていました。
けれども、真剣に仏の道を求めておられたあの姿は、何にも勝る強さの証でした。
そしてその方はこうおっしゃいました。
「修行中、一度も入院しませんでした」
朝のお勤め。読経。作法の学び。静かな内観。
すべてを地道に、時に涙しながら、乗り越えてこられました。
もちろん修行は決して「楽な道」ではありません。
それでも、誰かの評価ではなく、
「仏様と自分だけのまっすぐな道」に身を置いたことで、
その方は心の奥にある静けさを少しずつ取り戻していかれたのだと思います。
仏道は、弱さのままで歩ける道
誰しもが強くなければならないわけではありません。
仏道は、弱さを抱えたまま歩ける道です。
心に深い痛みを抱えている方。自分を責めている方。
この世界に自分の居場所があるのか分からないと感じている方。
聖徳派の道場は、そんなあなたを静かに迎え入れます。
仏の教えは、優しさと静けさのなかにあります。
それは特別な人のものではありません。
あなたのような人のために、千年も前から灯され続けてきた光です。
焦らなくて大丈夫です。
ゆっくりでいいのです。
私たちと一緒に、歩いていきませんか。
合掌
聖徳派 加行道場 住職