オンライン伝授やオンライン得度式は邪道?
「オンラインで伝授?得度式をオンラインで?」
そんな言葉を聞いて、驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。
仏教の修行や儀式は、古来より対面で行われてきたものですから、そう思われるのも無理はありません。
しかし、当道場では「オンライン伝授」や「オンライン得度式」も、真剣な修行の一形態として正式に取り入れております。
「伝統」と「現代の手段」をどう捉えるか
仏教の教え、真言宗の教えそのものは、お釈迦さまやお大師様の時代から何ひとつ変わっておりません。
「苦しみをどう乗り越えるか」「心安らかに生きるには」――その真理は今も昔も変わらないのです。
しかし、私たちの生活環境は大きく変化してきました。
かつては徒歩で何日もかけて寺を訪れていた時代もありましたが、現代では新幹線や飛行機、そしてインターネットがあります。
修行は昔ながらの「心の姿勢」を保ちつつ、
現代の文化や技術を活かして行うこともまた、一つの手段ではないでしょうか。
志ある人の道を閉ざさないために
遠方にお住まいの方、体調の都合や家庭の事情で道場に通うのが難しい方――
志があっても仏門に入る道が閉ざされてしまうのはとても残念です。
だからこそ、当道場では「オンライン得度式」や「オンライン伝授」を、真摯に準備し、正しい形式で行うことに努めています。
画面越しでも伝わる真剣な心
これまでオンラインで得度された方の中には、
事前に丁寧に五体投地を練習し、式当日には涙を流された方もいらっしゃいます。
画面越しであっても、修行に向かう真摯な心が伝わってくる。
むしろ「制限のある中でも修行をしたい」という決意が伝わり、胸を打たれる瞬間も多くあります。
「オンラインだから軽い」「形式だけ」と決めつけず、
その中でいかに真剣に仏道と向き合うか。
それこそが、私たちが今問われている修行の姿ではないでしょうか。
これからも当道場では、環境や手段にとらわれず、
真心をもって修行に臨む方々と共に歩んでまいります。
