弟子紹介:――82歳の歩み――

弟子紹介 ――82歳の歩み――

「生涯をかけて妻を供養し、同じような境遇の方々の支えとなることです。」

2023年1月下旬、聖徳派にて一人の弟子が新たに得度されました。
得度時、彼は82歳という高齢でしたが、その決意は並々ならぬものでした。

深い悲しみと、一念の決意

彼が得度を志した背景には、深い悲しみと強い一念がありました。
ご本人から次のようなお話をいただいています。

「昨年7月末、妻が急逝し、私は深い悲しみと空虚な日々の中で生きる意欲を失いました。
絶望に打ちひしがれながらも、『生かされた意味』を考えるようになり、
生涯をかけて妻を供養し、同じような境遇で苦しむ方々の力になりたいと願うようになったのです。」

「しかし、高齢のため仏道の修行を行い得度する道は閉ざされ、私の思いを達成する機会も失われかけていました。
そんな中、聖徳派道場にて加行の修行を通じて僧侶の資格を得られることを知り、希望が芽生えました。」

一歩一歩、丁寧に歩む

得度後、彼はご自身のペースで着実に修行を進められました。
その姿勢は真摯そのものであり、強い意志に支えられていました。

修行中には、学びに対する疑問を丁寧にWordにまとめて提出されるなど、
その誠実さと向き合い方に、私たちも学ぶところが多くありました。

伝法灌頂を終えて

2024年、無事に伝法灌頂の儀を終えられた後、共に食事を囲むひとときがありました。
その際、得度以来ずっと精進料理を召し上がっていると話され、その徹底した姿勢に感銘を受けました。

仏道への信念と、日々の暮らしにおける実践の積み重ねが、
そのお言葉や表情、すべてににじみ出ておりました。

聖徳派より

彼のこれからの歩みを、私たち心和寺一同、共に支え、共に見守ってまいります。
その決意と精進に、心からの敬意を表します。

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