映画「鬼滅の刃」をみて

「強い者が弱い者を守る」――炭治郎の言葉と仏さまのまなざし

映画『鬼滅の刃』を観ていたときのこと。主人公・炭治郎が語った一言が、深く心に残りました。

「誰もが最初は弱い赤子であり、強い者が弱い者を守るのが自然の摂理」

この言葉には、まるで仏さまのお心が宿っているように感じました。

人は誰もが最初は無力で、誰かに守られなければ生きていけません。
その“守られていた記憶”はやがて薄れ、今自分にある力や恵まれた環境を、あたかも「自分の力で得た当然のもの」のように錯覚してしまうことがあります。

そしてふと他者を見たとき、

  • 「どうしてそんなこともできないのか」
  • 「なぜ努力しないのか」

そんな苛立ちや、見下すような心が生まれてしまう―

けれどよく考えてみれば、私たちが今持っているものは、自分だけの力で築いたものではないはずです。

両親の愛情、友の支え、先生の教え、社会の制度、仏さまのご加護――
それらすべてが私たちの人生を形づくってくれたのです。

だからこそ、「できない人」に出会ったとき、

  • 「できるように育てられなかった背景があるのかもしれない」
  • 「今は心が疲れていて前に進めないだけかもしれない」

そう思える“やさしさ”を、私たちは忘れたくないものです。

炭治郎の言葉を通して、私は改めて思いました。

強さとは、奪うことではなく、支えること。
そして、誰かを守るその姿勢こそが、人としての尊さなのだ。

仏教の教えに「慈悲」があります。
強さを持つ者が、弱き者にそっと手を差し伸べる。
それは決して特別なことではなく、本来の人間の姿なのかもしれません。

今日もまた、「強さ」とは何かを、炭治郎と仏さまに教えていただいた気がします。

合掌

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