聖徳派について

岡山県にあります心和寺(真言宗の単立寺院)が管轄する真言宗の一派です。
弘法大師(空海)と御釈迦様の教えを基に信仰心を育み、深めていく教育基盤を作っております。
衆生に最も近い立場で皆さまに手を差し伸べる僧侶集団であることを心がけ、
1200年の伝統を重んじる真言陀羅尼宗(真言宗)を継承しています。
 
仏教は2500年程前にお釈迦様が悟りを開いたことから始まり、
弘法大師(空海)が仏教「密教」の教えを日本へ広めたことが真言宗の始まりです。
真言宗は正式には真言陀羅尼宗といい、長い年月を基に形を変えながら沢山の僧侶によって継承されております。
聖徳派では仏教・真言宗を広める活動の内の一つに弟子の育成をしております。
近年はテクノロジーの進化が著しく情報化社会となっております。
聖徳派は情報化社会の良さも生かし現代に合う形、かつ伝統的な手法で継承しております。
 

住職・悠心について

私はかつて、ごく普通の家庭に身を置き、三人の幼い子どもたちの子育てに励む一人の親でした。
しかし、人生には時として大きな転機が訪れます。
私自身の未熟さや環境の変化により、離婚という決断をせざるを得なくなりました。
そのとき、まだ小さな三人の子どもたちを抱えて、私はひとりで人生を立て直す決意をすることとなりました。
 
経済的な自立はもちろんのこと、私にはもう一つ、大切にしたい想いがありました。
それは、「子どもたちと過ごす時間をできるだけ確保したい」という気持ちです。
雇われて働く道では、時間の自由がきかず、育児との両立が難しくなると感じた私は、
自分で時間を管理できる働き方──つまり、自営業という選択肢に希望を託すことにしました。
 
こうして、生活を支えながら育児にも十分な時間を割けるようにと、会社を立ち上げました。
日中は仕事に奔走し、夜は家事と育児に追われる毎日。精神的な余裕はほとんどありませんでしたが、
それでも私は、子どもたちの未来と、会社の成長の両方に情熱を注いでいました。
 
そんな苦しい日々の中で、私の心をそっと救ってくれたのが、仏教の教えでした。
「すべては移ろいゆく」「執着が苦しみを生む」といった言葉が、張りつめていた心を静かに解きほぐしてくれたのです。
仏教に関心を抱いたのは、このときが最初のきっかけでした。
 
やがて会社は少しずつ成長し、従業員も増えていきましたが、ある日突然、信頼していた取引先からの裏切りに遭い、
大きな精神的打撃を受けました。その直後、がんを患い、手術を受けることになります。
心身ともに限界に近づく中で、私は「これまで自分は何を背負い、何を求めて走ってきたのか」と深く自問するようになりました。
 
自分を見つめ直したいという思いから、私はある瞑想道場を訪れました。
静かに呼吸し、自分の内側に耳を澄ます中で、少しずつ心が整っていくのを感じました。
仏教の智慧は、私にとって単なる宗教ではなく、「いまを生き抜く力」そのものでありました。
やがて私は、「かつての自分のように、苦しむ人々の力になりたい」と強く願うようになりました。
 
その後、在家出身でありながらも温かく誠実な一人の僧侶との出会いに導かれ、仏門へと進むご縁をいただきました。
師のお導きのもと、私は僧侶としての修行を始めましたが、ご家庭の事情──特に奥様のご病気などが重なり、
その師はやむを得ず修行から一時離れることとなりました。
 
その後、ご縁をいただいた師から、祈祷の実践についてのご指導を受ける機会がありました。
その師は四度加行の教えも比較的簡素であったことから、「より本格的で体系的な修行を望みたい」という想いが強くなり、私はさらに深く学べる道を求めるようになりました。
 
やがて、高名な阿闍梨のもとで本格的な伝授を受けるご縁に恵まれました。
以降も、複数の経験豊かな師僧方のもとで、密教の教義や祈祷法、修法の実践を幅広く学び続けてまいりました。
こうした多くの師僧とのご縁を通して、私は一修行者としての視野と深みを養うことができました。
 
そして、自身の多様な修行経験をふまえ、現代において仏門を志す方々──特に家庭や仕事を持つ社会人修行者の方々にも無理なく実践できる修行体系を整えることに努めてまいりました。
私自身が時間や環境の制約の中で学んできたからこそ、段階的で柔軟性のある修行の在り方が必要であると感じております。
 
現在は、働きながら、あるいは家庭を支えながらでも仏教の学びを続けられるよう、
オンライン学習・週末中心の修行・短期集中など、多様なスタイルを用意しております。
実際に、会社員、看護師、主婦など、多様な立場の社会人修行者が、それぞれのペースで学びを深めておられます。
 
自らが迷い、苦しみ、模索してきたからこそ、一人ひとりに寄り添い、決して押しつけず、共に歩む姿勢を大切にしています。
これからも、誠実に、そして丁寧に仏道を伝えてまいります。
 
寺での修行は決して容易なものではなく、迷いや苦しみもありましたが、
「誰かの光になりたい」という初心を支えに、今日まで歩んでまいりました。
 
私は今、お釈迦様や弘法大師(空海)がお示しくださった仏教、そして真言密教の教えには、
現代を生きる私たちにとって深い癒しと導きがあると確信しております。
僧侶としてその智慧を伝え、人々の心のよりどころとなる寺であり続けたい──その想いを胸に、日々精進しております。

理念

『仏教で人々を幸せに』

心和寺は、宗派の枠を超え、仏教の教えを通して
人類と社会への貢献を推進しています。

末寺の紹介


[岡山県]
心和寺
[大分県]
心庵
[群馬県]
慈明寺
[茨城県]
妙洸寺
[神奈川県]
賢正寺
[兵庫県]
桃雅庵
[埼玉県]
実帰寺
[静岡県]
富岳寺
[アメリカ]
St.Louis Japanese Buddhist Temple
*開山予定も含まれます


新聞に掲載されました。

新聞掲載2022年2月22日
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